数学者を夢見て上京したものの、気づけばカリスマエステティシャンに【レイ・ビューティースタジオ主宰 田中玲子さん】#1

数えきれないほどのテレビ番組や雑誌に取り上げられ、カリスマエステティシャンの名を欲しいままにしている田中玲子さん。確かな美容理論と技術に裏打ちされた施術は、女優やモデルなど美意識の高い人たちの圧倒的な支持を獲得しています。

そんな田中さんの美容キャリアは「たまたま」からスタートしたのだそう。「割のいいアルバイト」で始めた美容コンサルタントが、持ち前のプロ意識で次々と顧客を開拓。現在のサロンの礎になったそうです。

前編ではサロンを始めたきっかけと、オリジナルメソッドを確立するまでのいきさつについて伺います。

TANAKA’S PROFILE

お名前:田中玲子

出身地:群馬県渋川市

出身学校:群馬県立渋川女子高等学校

憧れの人:緒方貞子さん

プライベートの過ごし方:1年360日、仕事三昧

趣味・ハマっていること:化粧品の開発

仕事道具へのこだわりがあれば:いちばんのこだわりは「手」

進学を機に上京。それがいつの間にかエステティシャンの道に

田中さんが何よりも大切にしているのが手。顔より念入りにケアしているとか。

――最初から美容の道を志していたのですか?

実は美容にはまったく興味がなくて、純粋数学を学ぶために上京しました。まだ学生ですから、授業に影響が出ない程度のアルバイトをしたくて、求人広告で見つけたのが美容コンサルタントの仕事でした。

――それが美容に携わるきっかけですね。具体的にどんなお仕事なのですか?

化粧品の使い方やマッサージの方法をレッスンして、気に入ればその化粧品を買っていただく…という内容で、拘束時間が短いうえに時給がいい。学生にとって割のいいアルバイトでした。会場に行ってレッスンするだけでお給料はもらえるのですが、お金をいただく以上、雇ってもらった会社に損をさせたくありません。「月に最低いくら売り上げればご迷惑がかかりませんか」って、担当の社員に聞きました。月に40万円の売り上げがあればいい…と言われたので、この金額を自分のノルマにしていました

――アルバイトなのに売上を気にする…というのもすごい責任感ですね。

お金をいただく以上、もうプロですから。特別に売上のいい社員ではありませんでしたが、私が担当する講習会は評判がすごくよくて、「次回もぜひ」って声がかかるようになりました。

そうこうしているうちに、学業よりもこの仕事の方が面白くなってしまって。いつの間にか、お客様にマッサージや美容レッスンをするのが本業になっていました。

――数学の道は諦めたのですか?

私が学びたかった純粋数学は、クリアな脳が必要なんです。20代にさしかかって脳が少しずつ曇りだしたのが自分でも分かってきました。それで「私にはもう無理かも」と、気持ちを切り替えて、この美容の道を進むことに決めました。

自分自身、お客様に喜んでいただくサービス業に向いていることに気づいたのも大きかったですね。

――美容コンサルタントからエステティシャンに切り替わったきっかけは?

何度もレッスンをしているうちに、個人的に親しくなったお客様が何人もいらっしゃいました。その方たちから「結婚式があるから、ブライダルエステをお願い」と頼まれたのがきっかけですね。最初のうちは自宅でお客様の施術をしていましたが、だんだん手狭になって、自宅の近くにサロンを作りました。それが『レイ・ビューティースタジオ』の始まりです。もう40年以上前のことになります。

 

いち早くタラソテラピーを取り入れた施術が注目を集めるように

オリジナルの化粧品もスキンケア、ボディケア、インナーケアと充実している。

――初めてのサロンでお客様は集まりましたか?

最初は講習会に参加してくださった方たちが中心で、それから口コミでどんどん増えていきました。連日1日7名ほどのお客様がいらっしゃるようになって、朝から晩まで休みなく施術していましたね。

――施術のテクニックはどのように習得したのですか?

鍼灸や指圧を学んだ友人たちから東洋医学の奥深さを教わりました。一般的なエステティックのマッサージと東洋医学を組み合わせたら、もっと効果が出るのでは…と試行錯誤した結果が、私の考案した美点マッサージです。

――タラソテラピーを取り入れたのもこの頃ですか?

35~6年前のことですね。今やすっかり有名になったタラソテラピーのブランド、フィトメールが日本に初上陸したとき、「エステティックの施術に化粧品を取り入れて欲しい」と依頼されました。

そこでフィトメールの研究者とやり取りをしながら、日本人の肌に合うものをいろいろ調合してもらいました。こちらからフランスに出向いて打ち合わせすることもあったんですよ。おかげで私も納得のいく化粧品ができあがりました。

――その当時はまだタラソテラピーという言葉も浸透していませんでした。

タラソテラピーを広めるために、エステティックサロンの経営者やエステティシャンを招いた講習会を任されるようになりました。地方で講習会を開くために飛び回ったり、エステティシャンを育成する学校で授業をしたり。その間も私のサロンに穴を空けるわけにはいきませんから、かなりハードな毎日でした。

――タラソテラピーは肌と体にどう作用しますか?

私たち生物は海から生まれ、まさに生命の基本。海の成分は私たちの体に必要不可欠なものです。よく「肌トラブルは海で療養すると治りが早い」と言われていますよね。海の成分には私たちの肌や体を自然に戻す力があります。そのメカニズムを取り入れたのがタラソテラピーです。

――フィトメールと共同開発した商品だけでなく、オリジナルの化粧品を開発なさっているのはなぜですか?

フィトメールの研究者と一緒に商品を開発した経験から、化粧品の善し悪しがよく分かるようになりました。それまでもサロンで使っている化粧品に満足していなかったので、「それならば自分で作ろう!」と思い立ったわけです。

今から30年ほど前、タラソミネラルを含んだ化粧水が4,800円で販売されていました。経済的に余裕のある人だけでなく、もっと幅広い人たちにキレイになってもらうには4,800円は高すぎます。「私ならもっといいものを、もっと手頃な値段でつくれる!」と確信し、開発に取り組みました。

私が着目していた成分『乳酸菌生成エキス』をタラソと組み合わせたら、肌にいいのは間違いありません。問題は配合量。サロンの営業が終わった後、いろいろ実験しました。悪戦苦闘の末、誕生したのが『レイ ブリージングローション』です。価格を3,000円台にして1,000円以上も安くしたのに、効果はさらにいい。私が思ったとおりの化粧品ができました。

ピンチはチャンス!? 悩んでいるときには必ず救いの手が

どんな不調を抱えていても、田中さんのゴッドハンドにかかるとほぐれてしまう。

――お話を伺っていると、すべてが順風満帆なように感じます。

困っているとき、悩んでいるときに、不思議と「いい出会い」があるんですね。

例えば、今のこのサロン。いちばん最初に借りた部屋が手狭になったので、今のビルに開業しました。それでもベッドが足りなくなって「どうしよう」と思っていたら、このビルのオーナーが、「隣のビルの壁をぶち抜いて、つなげればいい」ってアドバイスしてくれたのです。実はこのサロン、2つのビルを1フロアにして使っているんですよ(笑)。ものすごく大胆な話ですよね。ビルのオーナー同士が兄弟だから実現しました。

化粧水を作っているときも、意外な出会いがありました。使いたい成分も配合量もほぼ決まったものの、ベースになる水がまだ決まっていませんでした。お客様の施術をしながら「ものすごくいい成分があるけれど、商品化できなくて…」という話をしたら、「十勝にミネラルを含んだ天然水がある」って、教えてくれたのです。彼との出会いがなければ、あのローションは完成しなかったでしょうね。

――人とのつながりが大事なんですね。

お客様には女優さんやモデルさん、マスコミ関係の方もたくさんいらっしゃいます。でも、私がお客様に対する姿勢は変わりません。私があまりにおしゃべりなので「日本でいちばん落ち着かないサロン」って言われたこともあるんですよ(笑)。ここに通ってくださるのは、サロンを開設した当時の方をはじめ、20年来、10年来の常連さんばかり。皆さんに助けられて「今がある」と思っています。

 

 

難しい局面になったときこそ「質」を高める。それが経営を長く続ける秘訣【レイ・ビューティースタジオ主宰 田中玲子さん】#2

「ゴッドハンド」、「カリスマエステティシャン」の異名をもつ田中玲子さん。日本で初めてサロンケアにタラソテラピーを導入するなど、常に新しいことに取り組む姿勢はテレビや雑誌に取り上げられ、美意識の高い人たちから高い評価を獲得しています。

前編では美容業界に進むきっかけとなった美容コンサルタントの仕事から、サロンを設立するまでのお話を伺いました。後編では、エステティシャンを目指す人、独立を目指す人に向けたアドバイスをご紹介します。

長く続けていれば困難な局面も。そんなときこそ「質」にこだわるべき

田中さんの人柄に惹かれて通うお客様がほとんど。とは言え、コロナ禍はサロンの経営に影を落としたとか。

――コロナの影響を受けて、経営が苦しくなっているサロンが増えています。

コロナの前は東日本大震災がありましたよね。長く経営を続けていれば、予想もしないような事件や災害が起こります。そんなときはお客様の数が減ることもあるでしょう。でもね。そういうときだからこそ、サービスや技術の質を落としてはダメ。お客様は敏感です。「ここはもうダメだな」って、分かってしまうんです

しんどいときこそ、サービスも技術の質も上げなくちゃ。いっそう丁寧に接客すれば、お客様にしっかり伝わります

逆に業績が右肩上がりで、事業の拡張をしよう…と思っているときも同様です。売上や利益のために、質を落とすなんてもってのほか。最初はうまくいったとしても、必ず失敗します。

――困っているときほど「質」を上げる。なかなかできることではありませんね。

利益が出るか出ないかギリギリの状態で接客すると、そのゆとりのなさがお客様に伝わってしまうんですよね。ギリギリのラインが100なら、プラス20%くらいの利益が出るくらいの売上を目指せばいい。余力を作っておくと、接客にもゆとりが持てます。

私が40年以上、サロンの経営を続けられているのは「質」の高さを維持し続けているからだと思います。

――「質」の高さ以外に、サロン経営を長く続ける秘訣はありますか?

流行や時代の流れの変化を敏感にキャッチすることでしょうか。タラソテラピーをいち早くサロンケアに取り入れられたのも、乳酸菌生成エキスを化粧品に取り入れられたのも、時代の流れをキャッチできたから。今でこそ自分自身の常在菌を育てる「菌活」が広く知られていますが、私がこのエキスのことを知ったのはずっと前の話。いいものを見極める目も必要ですね。

だからといって、流行に乗っかればいい…というわけではありません。ベースには変わらない技術力やサロンの個性があって、そのときそのときの流行を取り入れればいい。振り回されたらダメです

――長く続けてこられて、ピンチになったことはありますか?

どこのサロンでも同じ悩みを抱えていると思いますが、スタッフを確保できなかったときですね。結婚や妊娠、親の介護などで、ベテランのスタッフが3人まとめていなくなってしまったときは、本当に困りました。

女性はライフイベントに振り回されるんですよね。雇用を安定させるのは本当に難しい問題です。私たちの仕事は、資金がなくても「おうちサロン」を開設すれば、簡単に独立できてしまうんです。ちょっと技術をマスターすると辞めてしまう、というケースは数えきれません。

――ベテランスタッフが辞めてしまったときは、どうやって乗り切ったんですか?

それより前に、やはり結婚や子育てのために辞めてしまったスタッフに応援を頼みました。今でも困ったときは、ここから巣立っていったスタッフに声をかけて頼っているんですよ。

――逆にサロンを続けてきて、よかったことは何ですか?

普通の生活を送っていたら絶対に出会えない、いろんなジャンルの方に会えたことは私の財産になっています。仕事の関係者であったり、お客様であったり、サロンを通じてたくさんの方と出会えました。

面白いのは、たくさんの方々に出会ったなかで関係が長く続いているのは、私と考え方や価値観が似ている方なんですよね。それがまた面白い

だから「一緒にこんな企画をやろう!」とか、「こんな面白いものを見つけた」とか、次の動きにつながっていくんですよね

――このサロンには、人が集まってくるイメージがあります。

どんな有名な方でも、おだてたり特別扱いをしたりしません。仕事としてできる限りのことをしています。ガマンや無理は一切なし。ただ、できること、やるべきことをとことんやるだけ。そんな私の気持ちを分かってくださる方が残っているのでしょうね。

原動力は好奇心。次のターゲットは世界!?

田中さんが考案した美点マッサージを一般の方にも分かりやすく紹介している著書やDVDの数々。

――コロナ禍で直接レッスンを受けられない生徒に向けてオンライン講座を開催したり、意欲的ですよね。

必要だと思ったら、何でもやります。不安は一切ありませんね。私は「今までやったことがない」ことをやりたいのです(笑)。きっと好奇心が旺盛なのでしょうね。

――今、考えていらっしゃる目標を教えてください。

私が考えているテーマは「美点が世界を救う」。私が考案したこのメソッドを、世界に広めるのが目標です。今はコロナで渡航できませんが、中国やベトナムでの講習会を再開したいですね。

――エステティシャンを目指している人にアドバイスをお願いします。

エステティシャンは、お客様がもともと持っている美と健康を引き出すのが仕事です。お客様に生きる希望を与える仕事とも言えます。誇りを持って臨んで欲しいですね。でも、憧れだけで仕事はできません。アドバイス力や技術力をしっかり身につけてください。

――さらに独立を考えている方にアドバイスをお願いします。

集客に必要なのはサロンの立地、技術、化粧品です。それに加えて個性もある程度はあった方がいい。次の来客につなげるには、人間力がものを言います。その人自身に魅力がなければ、顧客につながりません

私の経験から言うと、「類は友を呼ぶ」ようにご自身と似た感性、似た考えの方がお客様として残ります。言葉は悪いですが、薄っぺらい人ならそれなりの集客しか望めません。技術力はもちろん人間力など、あらゆるものを磨き続ける努力を怠らないことですね。

エステティックサロンは、ヘアサロンとは違って欠かせないものではありません。魅力のないサロンはどんどん淘汰されていきます。常に時代の先を読んで、「これから先、何が必要なのか」を考える経営が必要だと思います

田中さんの成功の秘訣

1.困ったときこそサービスや技術力の「質」を上げる

2.人との出会いを大切にして財産に変える

3.常に時代の先を読み、求められるものを先取りする

 

レイ・ビューティースタジオ
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